PRODUCT STORY

歯石ケアキット

デンタルケア領域は、外科領域に近い分野であり、以前より何点かドクターから依頼された機器を製作した実績が当社にはありました。ただ、それがきっかけでホームヘルスケア領域のデンタル製品を手掛けたのではありません。結果的には、たまたまではありましたが、重要なのは、常に持ち続ける「問題意識」でしょうか。歯が抜けた…というイベントが生み出したデンタルケアキットの開発ストーリーをぜひご覧ください。

Cata-MEDICA 歯石ケアキット
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正式名称Cata-MEDICA 歯石ケアキット

INTRODUCTION

前歯が抜けたことがキッカケ?

 月経カップをCata-MEDICA®ブランドの第1号品としてリリースして3か月目、何故かはわかりませんが、月経カップの販売数が異常に伸びて在庫切れが発生しました。当然ながら販売数が伸びた要因等を分析することもそうでしたが、直感的に「このビジネスは、かなり成長性が高い」と判断し、早急に第2号品をリリースしたいという気持ちが強くなりました。しかしながら、わたしたちは、ホームヘルスケア領域に参入して間もないこともあり、市場のニーズを把握する手段すら持っていなかったため、やはり自分たちの身近にあるニーズや技術をベースに次の製品アイデアを検討することを進めました。

 まず、月経カップの周辺としてフェムテック領域で新製品を検討しました。ちょうど、ユニクロやGUが生理の時に使用する吸水ショーツ(ナプキンが不要で、ショーツに経血を吸収する複数層になった布が予めあてがってあるもの)をリリースしていたことを知り、わたしたちも吸水ショーツに着目したのですが、そもそも吸水ショーツは医療機器ではありませんので、わたしたちの良さが出ないと考え、この時点では一旦別の製品を検討することになりました。(後に医療機器ではないものの、生理回りの製品として吸水ショーツや布ナプキンはリリースすることになりました)

 そんな時、当社の社長の前歯が抜ける事件がありました。実は社長の前歯は差し歯で、何かの拍子にそれが抜けてしまったようでした。ちょうど新型コロナウイルスが流行していた時期でしたので、マスクを着用し抜けた歯は隠せていたのですが、いつまでもそのままにしておくこともできずに、社長は歯医者に行きました。そしてしっかり差し歯を戻していつもの社長に戻り会社に帰ってきた瞬間「歯科領域の製品はどうだろうか?」と言い出しました。何でも社長は、歯医者さんとの会話の中で、コロナの流行によって歯医者さんに来る患者さんの数が激減していること、歯は毎日歯磨きをしていても磨き残しにより歯垢が溜まり歯石化してしまうと歯周病になってしまうので、定期的に歯医者に本当は来てほしいこと等を聞いてきたようでした。そして、社長は以前、外科領域向けに製作したピンセットのサンプルを取り出し、ピンセットが作れるのだから、他の歯科器具もステンレスで作れば良いのでは?と興奮しながら言いました。企画担当者はなるほど…と妙に納得し、早速市場調査をしたところ、自宅用の歯石取り器具に一定のニーズがあることが判明しました。ここまで来ると小さな企業の最も良いところである「スピード感」が発揮され、即日、Cata-MEDICA®の第2号品はデンタルケアの製品でいくことが決定しました。

Dental Care
/déntl kéər/
でんたるけあ

歯の手入れ
【医療】歯科医療

PIVOT

ステンレス加工は自社でできたが…

 早速、競合品のサンプル等を入手しながら、製品設計を進め試作を試みました。わたしたちはもともと外科領域向けの手術器具の開発・製造を行っていたこともあり、ステンレス加工は得意分野であったのですが、一般消費者向けに販売する製品としてはコストが高すぎてしまうという課題に直面しました。そんなコスト問題に直面している担当者を余所に社長は「せっかくだから、耐久性もあって軽い素材のチタン製にして差別化してみないか?」「ケースも白色の清潔感のあるタイプが良いのでは?」と大変呑気な発言を繰り返す始末でした。

 担当者から、いやいや製造原価が高くなり、とても一般向けに販売できるレベルの価格に合わない旨を報告した際も「そうなの?」とキョトンとしながらも、だったらOEMでまずはスタートして、販売動向を見ながら上位品としてチタンとかを出せば良いのでは?とあっさり切り替えされてしまいました。担当者は月経カップの時のOEM開発の批判や海外製に対する消費者のイメージの悪さから、今回のデンタルケア製品は自社で製造することだけを考えていたため、ハッとしながらもその手があったかという気づきに戻りました。

PROBLEM

OEM先が見つからない…

 開発担当者はまずは国内で同類の製品を保有している企業を探しましたが、なかなか辿りつくことができませんでした。先行して販売されていた競合品を調査した結果、いずれも海外製であることが分かり、今回も海外企業とのOEM開発を進めることとしました。しかしながら、前回の月経カップにおいては複数のOEM企業の候補がありましたが、今回は中国を中心に探しましたが、なかなか良い企業を見つけることができませんでした。そんな時、手術器具でお世話になっている医療機器メーカーの方と話す機会があり、現在デンタルケア製品のOEM開発を検討している旨を話したところ、パキスタンがお勧めであると伺いました。何でもパキスタンは安価なステンレス製の手術器具を製造しているメーカーが多いとのことから、日本でも輸入している企業があるから調べてみるといいよとアドバイスをいただきました。早速、パキスタンの調査を開始したところ、複数の候補企業を洗い出すことができ、サンプルのやり取りをし、評価検討を行った結果、候補企業を1社に絞りこむことができました。

 また、パキスタンからの輸入を代行してくれる業者も中国のように複数存在している訳ではなく、限られていたことから、輸入代行業者の調査にも時間を要しましたし、パキスタン業者への支払いも海外送金にはハードルがあることを知り苦労しました。これまでわたしたちは「ものづくり」に注力するあまり、このような取引の実績があまりなく、ましてや海外企業との取引は皆無でしたが、慣れない英語を使いながら何とかCata-MEDICA®の第2号品として「歯石ケアキット」をリリースすることができました。

RELEASE & KAIZEN

リリース後も改良を重ねる

 当初、パキスタン製のデンタルケア器具として4本セットの器具を発売しましたが、市場の競合品が5本セットが多かったこと、製品の品質は良かったのですが、収納するケースの品質が悪かったことから、再度、OEM企業を調査しました。現在は中国の歯科器具メーカーから5本セットとして、更にケースは水洗いもできるプラスチック製の収納ケースに変更し、OEM供給いただいております。また、逆にお客様から5本もいらないから、使いたい器具だけを販売してもらえないかという声にお応えし、メイン器具の「デンタルスケーラ」「デンタルプローブ」および「デンタルミラー」を単品売りとしてリリースしました。

現在は、当初の社長の想いを実現できるように国内製のチタンでデンタルケア製品を製作できないか検討を行いながら、多くの方の「健康な歯」に役立つような製品の検討を続けております。

Cata-MEDICA 歯石ケアキット

PRODUCT STORY

ホームヘルスケアブランドCata-MEDICA® はさまざまなホームヘルスケア製品を発売中。
その中でも特に売れている2製品の開発秘話をご紹介します。

月経カップ

月経カップ

ホームヘルスケア領域に参入し、EC販売に挑戦することを決めたわたしたちが最初に選んだ製品「月経カップ」。男性ばかりの会社でフェムテック領域に参加することになったわけとは?

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