Carter’s BLOGはかなり久しぶりの更新になります。
当社で製造販売している「LIC TRAINER」ですがALSの患者さんが中心に使用いただいておりますが、その他に筋ジストロフィーの患者さんも使用いただいている実績があります。
そのため、弊社でも筋ジストロフィーは馴染みのある病気なのですが、この度、筋ジストロフィーの新薬が承認されたというニュースを見て、大変嬉しく思い、久しぶりにブログを投稿した次第です。
今回、新しく承認されたお薬は「ビルテプソ点滴静注250㎎」というものです。
製造販売元は、京都市に本社がある日本新薬株式会社なのですが、こちらのお薬は我々も大変お世話になっている国立精神・神経医療研究センターとの共同開発なのです。
お薬の概要は以下の通りです。(日本新薬HPより)
販売名
ビルテプソ®点滴静注250mg
一般名
ビルトラルセン(viltolarsen)
剤形・含量
1バイアル(5mL)中にビルトラルセン250mgを含有する水性注射液
効能・効果
エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失が確認されているデュシェンヌ型筋ジストロフィー
用法・用量
通常、ビルトラルセンとして80mg/kgを週1回、1時間かけて静脈内投与する
筋ジストロフィーという病気は何種類か型があるのですが、その中でもこのお薬はデュシェンヌ型筋ジストロフィーに適用されるようです。
これまでは、適用できる有効なお薬はなく、ストロイド投与であったり、弊社のLIC TRAINERもそうですが、各種のリハビリを行いながら治療をしていく形でしたが、今回の新薬が使えるようになることで、患者様の治療は大きく前進するのではと思います。
こちらのビルテプソ点滴静注250mgは2020年3月25日に国内の製造販売承認を取得し、これから薬価収載されるのが、5月ぐらいでしょうからその後に実際の患者さんへの投与が始まるのではと期待しております。
また、こちらのお薬は様々な制度が適用されて、早期に承認を取得したお薬でもあります。
● 先駆け審査指定制度
● 希少疾病用医薬品の指定制度
● 条件付き早期承認制度
通常新しいお薬の開発には10年以上を要しますし、多くの臨床試験等を経て承認されます。
しかしながら、神経筋疾患のように有効な治療法がない疾病に対しては、条件はあるものの厚生労働省も様々な制度を設定し、早期に承認を出すシステムを現在は構築されております。
まさに患者さんが望む医療を届けるという意味で、今回の新薬は、国と医療機関と製薬企業のすばらしい連携のもとに生み出されたと言えるお薬かと思います。
弊社の開発している医療機器も今回の新薬と同様で、医療上の必要性が高いにも関わらず、患者さんが少ないことにより、研究開発が進まないという領域を担っております。
今後も、患者さんのために有効な医療機器の開発を継続できればと思います。