LICトレーナーは、ALS(筋委縮性側索硬化症)などの神経筋疾患患者様のご利用を主に想定して製作された呼吸リハビリテーション機器です。適切な利用を行うためには、点検と正しい組み立てが必要です。本体にマスク等を組み立てる前に、まずは安全弁がきちんと動作するかどうか、蘇生バックを使って加圧できるかどうかの確認をし、使用を開始いただきますようお願いします。

LICトレーナーの安全弁点検方法

LICトレーナーは本体と呼気ラインと呼ばれるホースがセットとなっています。しかし、これだけではLICトレーナーによる呼吸リハビリはできません。別売りのバックバルブマスク(蘇生バック)や直接コネクタを、インターネット等で購入する必要があります。本体製品以外に準備するもので、どれを買えばよいか分からないときは当社までご相談ください。

点検と組立の前に、以下の必要なものがあるか確認してください。

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まず、安全弁がきちんと動作するかどうかの点検を行います。安全弁は、本体上に内蔵されており、キャップを外して取り出します。

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内部のパッキンは取り出さず、筒状の弁のみ取り外してください。

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弁に指を入れて押し上げます。中の弁部がスムーズに動作できれば問題ありません。この動作確認は必ず行うようにしてください。確認が終われば、元に戻します。

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次に、LIC練習を想定し、加圧できるかどうかの確認を行います。この際、ゴム栓をOUT側に差し込みます。

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指で押さえても構いませんが、ゴム栓を使うと楽に確認作業ができます。

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IN側に蘇生バックを取り付けるときは、リリーフ弁を押さえながら装着します。

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蘇生バックで加圧し、ブーッと音がしたら正常に機能していることを表します。

組立方法

安全点検が終わったら、各パーツを組み立てます。

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まず、INに蘇生バックを取り付けます。接続部のサイズが合うかどうかの確認も必ず行ってください。

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次に、OUTに直接コネクタを取り付けます。

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直接コネクタの上から、マスクを装着します。このときも、接続部のサイズと合うかどうか確認し、確実に装着するようにしてください。

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最後に、呼気ラインを本体弁に取り付けます。

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このように、確実に取り付けられたかどうかの確認も忘れず行いましょう。

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蘇生バックやマスクが確実に装着されていないと、空気が漏れて陽圧を正しくキープできなくなるおそれがあります。緩みもなく、接続部分にマッチしているかどうか、きちんと確認するようにしてください。

使用前注意

安全弁の動作と加圧の確認が終わり、LICトレーナーを正しく組み立てた後は、実際に器具を用いて陽圧に慣れる練習に入ります。使用する前に、以下の4点についての確認を必ず行ってください。

 ■ 主治医の許可を得ていること。または指示があること

 ■ 理学療法士の指導・アドバイスを受けながら実施できる環境にあること

 ■ LICトレーナーは個人使用に限定し、複数人で用いないこと

 ■ 安全弁が正しく動作すること

上記を守ったうえで、呼吸リハビリの練習に取りかかりましょう。
なお、LICトレーナーの点検と組立方法については、動画を用いた説明も行っています。記事と合わせて参考にしてください。