0a4c9820dffaec1af314816692bc4f17_m

前回の記事では、医療機器の開発において現場のニーズが重要であり、開発のアプローチは、マーケットインであるべきということをお話しました。詳しくは前回の記事でご確認ください。

医療機器営業マン必見!現場のニーズが製品開発において重要な訳

そして、今回はその続編です。医療現場のニーズを議論する中で、必ず話題になるのが

「ある特定のドクターが言ったことであって、
 それが多くのドクターが抱えているニーズとは限らない」

ということです。

これは至極当たり前のことであり、製品開発においては重要なことです。当然ながら開発するならば市場が大きく(患者数が多いということが医療機器における市場規模になる)、多くのドクターに使っていただける方が良いに決まっています。マーケットサーベイを行い、コンサルタントにニーズ調査を実施いただき、開発領域を絞り込み、開発品を決定する。普通の流れですね…大企業が行うならばこの方法で良いかも知れません。ただし、わたしたちのようにマーケティングに多くの費用をかけられない小企業はこの方法は現実的には難しいです。また、ある特定のドクターがいわゆる「スーパードクター(例えば最近のドラマのようなドクターX 大門未知子のような…ちょっと違いますかね?)」で、その道のオピニオンリーダーであれば、開発した医療機器が大々的に取り上げられ、自然と普及して行くことも考えられます。…しかしながらこういったことも稀な事例であります。

では、どうするのか?

本当に一人のある特定のドクターが言っているニーズに基いて製品開発を行っていいのでしょうか?

84e935fac2cbe7fdf270b4ebd7c57797_l

御用聞きとは?

最近はあまり耳にしなくなったかもですが「御用聞き営業」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?良い印象を持たれない方のほうが多いかも知れませんね。そもそも御用聞きとは…ウィキペディアで調べてみますと「訪問販売の呼び方の一種」と示されています。更にこんなことが記されています。

“一般には有店舗販売を行っている店が行い、商品や役務の受注を得るため、得意先を定期的に周り、受注を行う。特に目立つ御用聞きは昭和期のテレビドラマなどで馴染みのある三河屋などで、得意先に定期的に巡回して商品の注文を受ける。江戸時代から昭和期にかけての時代をドラマ化したものに多く登場し、老舗などが行うさまが映し出されている。現代では言葉自体が廃れたものの、運送業などが受注の多い顧客を定期的に回るなど業種が変わっても一般的に広く行われている行為でもある。”
出展:ウィキペディア

あまりピンときませんかね?「何か必要なものはありませんか?」と聞き周り、仕事を受注するといったスタイルです。わたしたちのビジネスに当てはめると、定期的に医療の現場に出向き、医療従事者に「必要なものはありませんか?」「お困りごとはありませんか?」とニーズを聞き出し、それに対応したソリューションを提供する。これって実はマーケットインの基本系だと思いませんか?

「だから、何…?」

前回もありましたね、このようなフレーズが…
そうです。マーケットインの手法だからと言って、それが良いとは限りませんし、そもそもある特定のニーズに応えることの良さと御用聞き営業が上手く結びついておりません。

1902e09a9e704261778aa7deb71da4ca_l

御用聞き営業で自社のファンを作る!

今日のテーマのポイントはこのフレーズが全てです。御用聞き営業を行いながら自社のファンを作ることが重要であると考えます。わたしたちも医療機器の開発事業を開始してから医療現場を訪問し機器の開発のお話や試作機の検証等を行うことが増えたのですが、最近ではその対象開発品以外のお話を伺うケースがあります。

「今はこの製品を開発しているんだけど、実はその他にも作って欲しいものがあるんだよね」

「少しだけこの器具を削ってもらって、表面を滑らかに加工した器具が欲しいんだよね」

一つの開発品を行っていただけなのですが、ニーズが次から次に聞き出せてくる。
つまり小さなニーズは入口に過ぎないのです。
その小さなニーズをマーケットが小さいから(患者数が少ないから)と言った「売れる」「売れない」だけの議論で、対応しなかったらせっかくの入口も開かないことになってしまうと思います。
更にしっかりニーズに答えていくとこのような言葉がいただけるケースもあります。

「カーターさんだったらできるでしょ!」

これは非常に嬉しいことです。
わたしたちの加工技術を理解いただき「カーターだったらできるでしょ」という言葉をいただく。
そして、「あそこに頼めば作ってくれる」という印象を持っていただく。
これが最終的に自社のファンを作るという形です。
わたしたちのように小規模のスタートアップ企業にとっては、このように地道にニーズに対応していく中で自社のファンを作っていくということが、事業を発展させる近道なのではないかと思っております。

以上、2回に渡り製品開発のアプローチ的なことをお話しました。
ぜひ、医療機器メーカーの方々にはドクターや医療機器メーカーとの信頼関係構築のために、小さなニーズに応えるという視点で製品開発に取り組んでみていただければと思います。
次回は、そうは言っても医療現場のニーズをどうやって把握するのか?というお困りの方々にお勧めのウエブサイトがありますので、その活用方法をご紹介します。
次回もお楽しみにしてください。