変形性膝関節症や関節リウマチに苦しむ人が人工膝関節を入れることで、歩行能力の大幅な改善に期待が持てます。早期回復・早期歩行を実現するにはリハビリが重要で、それをサポートしてくれるのが、自宅でも行える『膝リハビリクッション』です。このアイテムの有効性・メリットは何か、また従来のリハビリとどう違うのか?以下で詳しくご説明します。
全人工膝関節置換術とは?
全人工膝関節置換術(TKA)とは、変形性膝関節症などが原因で変形した膝を、金属やセラミック、ポリエチレンなどで作られた人工膝関節に置き換える手術のことです。変形性膝関節症で膝軟骨がすり減り、歩行が困難になった膝も、人工膝関節に置き換わることで通常歩行を可能としてくれます。
変形性膝関節症、関節リウマチなどの回復に
加齢や筋力の低下で軟骨がすり減り、膝が変形する変形性膝関節症、また関節が腫れて手足や膝などが動かしにくくなる関節リウマチ。これらの症状に苦しむ患者さんの歩行を助ける目的で主に実施されるのが、全人工膝関節置換術です。これらの症状は関節に強い痛みが走り、関節自体の動きが悪くなるばかりでなく、日常生活に支障を来すほどの歩行障害に見舞われます。悪化した膝を金属製やセラミック製の人工関節に置き換えれば、ほとんどの場合、術後6週間以内に杖を使って歩けるまで回復します。
膝リハビリクッションとは?
全人工膝関節置換の術後のリハビリに有効なアイテムが、『膝リハビリクッション』です。このリハビリ器具は、膝を折り曲げたり、伸ばしたりする屈曲訓練に用います。仰向け、もしくは座った状態で膝裏にクッションを挟み込み、タオルを使って膝関節を支持。それと同時につま先を太もも側に引き寄せるトレーニングを繰り返すことで、膝関節を鍛えていきます。
膝リハビリクッションを使ったエクササイズを行うことで、膝関節の筋肉及び軟部組織が固まりやすくなるのを防ぎ、なおかつ膝関節屈曲角度の低下に歯止めをかける効果があります。
全人工膝置換術後のROM拡大を助ける
上記のような使用方法も可能な膝リハビリクッションですが、人工膝関節置換術の予後のROM(関節可動領域)訓練における利用も有効です。関節の動きを助け、機動性を確保するうえで重要なROM獲得は、早期の自力歩行につながり、患者さんのQOL向上にも大きく貢献します。
術後のリハビリに最適な膝リハビリクッション
全人工膝関節置換術を受けた後は、なるべく早期に膝の可動領域を獲得することが望まれます。そのリハビリ方法として従来用いられてきた方法が、専用器具を使った持続的他動運動(CPM)です。しかし、この方法では設定角度以上の訓練ができないこと、看護師やリハビリスタッフの介助を必要とする受動的訓練のため、リハビリ時間も制限される、などの課題が指摘されてきました。
一方、膝リハビリクッションは痛みに合わせて屈曲訓練角度の調整も可能で、自宅で使用する自主訓練に適しているなどのメリットがあり、患者さんのリハビリへのモチベーションを高める効果も期待できます。さらに最近の臨床研究によって、膝リハビリクッションを使った訓練のほうがCPMと比べ、術後の膝関節可動領域がより改善されることも分かっています。今後の学術研究次第では、その有効性の認知度も広がっていくかもしれません。
開発元はサージカルアライアンス株式会社
膝リハビリクッションを開発したのは、『サージカルアライアンス株式会社』です。東京都港区に本社を構え、リハビリ器具や固定具の開発・販売に携わっています。膝リハビリクッションはサージカルアライアンス株式会社と医療機関の共同開発によって誕生しましたが、カーターテクノロジーズ株式会社も試作品の設計・製作を担当しました。患者さんにとって使いやすいリハビリテーション器具の開発を目指し、最適なクッションの高さや角度を追求、材質の検討なども加えながら発売までこぎ着けました。その後も当社が膝リハビリクッションの製造にあたっております。
膝リハビリクッションは術前の悪化した膝関節リハビリにも使用可能ですが、自宅で自主訓練ができるところが特筆され、術後の早期改善・回復をサポートしてくれます。多くの患者さんがより手軽に歩行訓練などができるよう、同製品が全人工膝関節置換術後のリハビリ・スタンダードになることを願うばかりです。
なお、膝リハビリクッションのご購入は、サージカルアライアンス株式会社のWEBショップで受け付けています。お求めの際は下記ホームページにお問い合わせください。