薬事申請

2014年1月、当社は自社ウェブサイトをリニューアルし、それに合わせこのCarter’s BLOGを立ち上げた。このブログでは、医療機器の開発や製造に役立つ情報をお客様に届けるということ、更には当社のサービスを理解していただくということ等を目的にしている。

そして、第1回目の投稿にどのような内容を記すか考えて考え抜いた結果、タイトルに示した通り、医療機器製造業に関するテーマを書くことにした。なぜこのテーマなのか?その理由は、わたしたちが医療機器製造業許可を取得しようと計画した際に、なかなか有益な情報を見つけられなかったことに起因している。許可取得には、どのような準備をすれば良いのか?査察では、どのようなことを聞かれるのか?等、実際の経験談がなかなか情報として得ることが出来なかったため、自分たちなりに考え対応した。結果的に無事に許可が取得できたので、OKなのだが、作業を進める中で「本当にこれで良いのだろうか?」という不安を抱きながらの対応であったことを覚えている。

そこで、今回、具体的にわたしたちが医療機器製造業(一般)の許可を取得したプロセスを紹介しながら、どのようにしたら低コストで、短期間で、更には自分たち自身で許可が取得できるのかを解説したい。特に新たに医療機器分野に進出したいと考えている中小企業の製造業の皆様や町工場の経営者の方々にはぜひ読んでいただきたい。最近ではアベノミクス効果で、世の中の景気は上向いてきているが、わたしたちのような小規模製造業には、まだその実感はない。そのような中で新たに成長分野の医療業界の仕事をやってみたいと思った時、最初に感じる壁が、医療機器の品質や薬事法である。他の分野でも当然ながら製品の品質は厳格に管理されるべきものであるが、とりわけ医療の分野においては、人の生死が直接的に影響するため、参入に二の足を踏んでしまうのは理解できる話しである。
そのような背景のもと、少しづつ医療業界の特性を理解しながら挑戦してみようと思う企業があれば、このブログは少しでも役に立つのではないかと思う。当然ながら、この記事を読んだからと言って同じように許可が取得できる保証もなければ、医療機器の仕事が受注できる訳でもないが、必ず参考になる情報が盛り込まれている・・・と思う。

実は既にご存知の方もいると思うが、薬事法が近々改正される予定である。今回の改正において、医療機器製造業も許可制から登録制に変更が予定されていることから、直接的にこの情報が役立つのは凡そ1年ぐらいかも知れない。しかしながら、この当社の医療機器製造業の許可取得ドキュメントは、都道府県庁の薬務課とどのような話ができるのか?どの程度相談に乗ってもらえるのか?という事例は、製造業許可だけではなく、今後の医療機器ビジネスに役立つはずである。また、薬事法に記されている内容の解釈の視点も今後、法律を読み解くうえで参考になるであろう。
加えて、これらの記事に関連して医療機器製造業について何かご質問があればメールにて問い合わせをいただけたらと思う。わたしたちは業を許可する立場ではないので、確実な話はできないまでも実際に業許可を取得した企業として経験をアドバイスできると思うので、お気軽に連絡いただきたい。

少々前置きが長くなったが、次回は「準備編」として具体的な内容をスタートする予定なので、ぜひ楽しみに記事をお待ちいただきたい。