またまた前回の記事から1ヶ月も経ってしまいました。最近はワールドカップも始まり少々仕事に集中できない状況であります。昨日は日曜日でしたので、日本の初戦であるコートジボワール戦をゆっくりテレビ観戦しましたが、期待した白星発進とはいかず、残念な結果でした。が、まだ予選リーグは2試合あります。私も気持ちを切り替え、仕事とワールドカップ(応援ですが)とメリハリを付けて今週も頑張ろうと思います。
さて、現在の当社の仕事状況ですが、開発品の試作機製作、検証テストの実施などを進めているところであります。まだ試作機製作や部品製作がメインで、実際の承認を得た医療機器の製品製造までは達していませんが、量産化へ向けたコスト検討なども徐々に始まっており、開発品の製品化への道筋も見え始めております。そして、今回の記事で紹介するのは、先日製作した試作品に関する内容です。
当社で最も多いお問い合わせが、試作品の製作を依頼できないかという案件です。試作品というよりも一点モノの製作と言った方が適しているのかも知れません。寸法、材質、形状、更には機能まで様々なご依頼をお受けします。今回製作した試作品は「レトラクター」と呼ばれる整形外科の手術で使用する器具です。(一部リトラクターと書かれている場合もあります)
以下の写真が今回、当社で製作したレトラクターの試作品です。
製作過程の紹介の前に、レトラクターとはどのような医療機器なのか、知人の看護師さんが、解説をしてくれたので、以下に示します。
レトラクターの特徴は
先端は組織を損傷しないように鈍的になっています。サイズは、大・中・小・細極小等の種類が多数あります。持ち手以外の部分に、滑らかな斜度がついていて、この形状によって、圧拝した際に術操作で必要な部分を露出できます。また、視野の邪魔になる組織を無理なちからを加えることなく、保護しながら展開することができます。
レトラクターの使い方は
『レトラクター』は、骨などの深層を操作するときに、術者の視野の妨げとなる組織をテコの原理で、術野の骨を露出し、周囲の組織を圧拝します。圧拝することにより、術者の視野が確保され、必要な組織を誤って損傷せずに安全に手術を遂行することができます。
使い方のポイントは
通常は、鉤先の幅の狭いものから順に使用していきます。圧拝したい範囲が広く、開創も大きい時には、大きいレトラクターを使用します。圧拝したい範囲は広く、開創が小さいときには、開創している大きさを考えた『レトラクター』を選択する必要があります。使用する部分や組織を圧拝する範囲、術創の大きさなどを考慮して、使用する『レトラクター』のサイズを選択します。
このように手術の状況に応じて使い分ける器具ですので、種類が豊富にあり、使用するドクターによっても好みがあるようです。そうなりますと1点モノの製作を得意とする当社に取っては、腕の見せ所といった製品になります。
今回は、少々話が長くなりそうですので、ここまでとして次回以降、試作機の製作過程として、材料の選定から仕上げ方法等を紹介したいと思います。また次回の記事を楽しみにしてください。(次回記事は1ヶ月後にならないように努めたいと思います)
© タイトル:ブラックジャックによろしく 著作者名: 佐藤秀峰サイト名: 漫画 on web URL: http://mangaonweb.com/