前回、医療機器製造業を申請するに際して必要な書類の準備を紹介した。次はその申請書類をいよいよ都道府県庁に提出するフェーズである。今回の記事では、実際に当社が申請する様子を紹介しながら、申請に関する解説を行う。
申請書類がようやく出来上がったので、私は早速提出の準備を進めた。単純に県庁薬務課に持って行けばよいのだろうなと思っていたが、やはりそこは予約が必要ということで、まずは、電話をした。(事前相談編でも解説したが、予約電話の受付時間が決められているので、注意のこと)
「カーターテクノロジーズです。医療機器製造業の申請書類が準備できましたので、提出に伺いたいのですが」
こんな感じで電話したところ、許可申請の受付は事前相談とは異なり午前中、午後ともに対応いただけるとのことであった。そこで、最短での日時を聞いたところ、3連休明けの11時がOKとのことで予約を入れた。(電話をしたのが金曜日だったので、実質的には翌日でOKだったということである)また、申請前に事前に書類をチェックいただけるとのことで、FAXで全ての書類を送ることになった。
実は、この最短での申請が裏目に出てしまった。せっかく申請前に書類チェックをいただいたのだが、修正する時間がなかった。結局のところ、県庁に伺った際に、間違いの修正をその場で行うことになってしまい、担当の方には大変迷惑をかけることになってしまった。よって、これから申請書類を提出しようと計画している方々は、日程の余裕を持って設定することをお勧めする。
さて、実際の申請だが、実は今回の申請は私が行っていないのである。私の予定が急遽変更になり、代わりに設計/製作の担当者が申請書類を持って県庁に伺うことになった。えっ?本人が行かなくていいのか?と思うかも知れないが、あくまで申請は法人として行っているので、社長や責任技術者が行かなければならないというルールはない。ただし、ただの書類提出ではないので、しっかり書類の中身が分かっている担当者を任命し行かさなければならないことは当然のことである。
そして、ここからは当社の担当者から報告を受けた内容で当日の様子を紹介する。
まず県庁に到着後最初に、申請に必要な県証紙の購入を行った。県庁地下のファミリーマートに売っているが、当日、申請の時間前に慌てないようにできれば事前に購入しておく方がいいだろう。(県証紙は埼玉りそな銀行やファミリーマートで購入できる)購入した収入証紙は、79,100円、埼玉県の医療機器製造業(一般)の手数料である。手数料は都道府県や申請区分によって異なるので、ホームページ等で確認すること。また証紙は申請書類に貼ることなく、一緒に持参すればOKである。
購入した証紙と申請書類を持って、薬務課を訪れた。準備してきた書類を提出し、その場でチェックを行っていただく。やはり何点かの記載間違い、更には不足の書類が1通あった。記載間違いは修正な可能なものはその場で修正し、一旦確認が必要なものは後日、FAXにて回答することにした。また、不足の書類は申請編①でも紹介したが「責任技術者との使用関係を証する書類」の提出が必要と指摘を受けた。責任技術者が代表取締役であっても使用関係の書類は必要とのことなので、事前に準備しておくようにされたい。一通りの書類のチェックを受け、後日の回答や提出書類はあるものの、書類は受理いただき、何とか申請の第一歩が完了した。その後は、FAX、電話さらにはメール等を用いて担当の方とやり取りを行い、全ての申請書類のOKをいただいた。
申請書類の提出が完了するといよいよ次は実地調査である。申請が完了してから約1週間後、県庁の担当者から電話にて実地調査の日時の連絡をいただいた。申請書類を提出に行ったのが11月5日だったので、ちょうどその1ヶ月後の12月5に実地調査が計画された。
以上、前回と今回で申請に関する様子を紹介した。複数の書類を作成し、更には卒業証明書や診断書など取得する書類も多々あり大変であったが、県庁薬務課の担当の方の協力を得て、何とか形付けることができた。
次回は、医療機器製造業の許可取得の最も大きな山場である実地調査の様子を紹介しなが、どのような調査が行われるのかを解説する。