SONY DSC

新年、おめでとうございます。
2015年、最初のブログになります。先日の新年のご挨拶でも書かせて頂きましたが、本年は事業開始時のベース事業であった医療機器部品の製作にもしっかりリソースを分配し事業を進めていきたいと考えております。その取組の一つとして、医療機器部品の製作に関する「ものづくり技術」をテーマにお話したいと思います。

今回の記事では当社における「医療機器を作り出すものづくり技術」を数回に分けて紹介します。第1回目として、今回は「金型製作」についてお話をします。なぜ、金型製作の話を1回目に取り上げるかと言いますのも、当社の最もベースとなる技術だからです。そもそも現在の当社の事業は、私の父である関根恒夫が営んでいた金型屋がルーツとなっております。ちなみにですが、社名の「カーターテクノロジーズ株式会社」の由来は金型の「型」を文字って「カーター」と名付けてあります。(ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが…)
つまり、当社として金型製作は最も得意としているものづくり技術なのです。
では、早速ですが今回は、金型の種類について詳細に分類していき、当社が製作を得意としている金型の種類をご紹介します。

1.金型の種類「金型は対象材料や加工方法によって分類される」

さて、そもそも金型と言いましても色々な種類があることは皆さまもご存知の通りです。
金型は対象の材料を成形して製品に仕上げていくための型でして、主に金属で作られている型の総称が「金型」となります。種類については、その対象の材料の特性に合わせて分類すると…


 ■ 金属材料の加工用金型
 ■ プラスチック材料の加工用金型
 ■ ガラス材料の加工用金型
 ■ ゴム材料の加工用金型


のようになります。
この材料を対象とした分類から更に加工方法の切り口で分類することができ、例えば金属材料の加工用金型でしたら


 ■ プレス金型
 ■ 鍛造用金型
 ■ 鋳造用金型
 ■ ダイカスト金型


という感じで分類されます。また、プラスチック用金型でしたら、成形方法ごとに


 ■ 射出成形用金型
 ■ 真空成形用金型
 ■ 圧縮成形用金型
 ■ 吹込成形用金型


という風に分類されていきます。
このように金型と一言で言いましても「材料」と「加工方法」によって細分化されており、製作する技術もそれぞれ異なってきます。
では、このような金型の分類の中で当社が手掛けている金型はどの分野かと言いますと、ズバリ「金属材料を対象としたプレス金型」

になります。たまにお客様の中に、

「金型製作が得意だったらプラスチックの成形用金型も作れるんでしょ?」

と言われたりしますが、答えは「いいえ、作れません」となります。基本的に金型を作り出すベース技術は、金属用金型であろうが、プラスチック用金型だとしても然程変わらないかも知れません。しかしながら、金型製作はその材料の特性を十分把握していることや、成形、加工方法と言った金型の使い方を熟知していないと製作することは不可能です。よって、当社は金型製作が得意ですが、その中でも製作できる金型は「プレス金型」に限るということになります。

IMG_0313

2.プレス金型にも種類がある!

次に当社が得意とするプレス金型に話を絞っていきます。
まず基本的なお話ですが、プレス金型とは、プレス加工機に取り付けて使用する金型のことを言います。プレス加工とは、プレス機械を用いて凸と凹からなる金型を取付けて、主に板状の材料を金型の間に強い力で挟み込むことにより材料を変形(せん断、曲げ、絞り等)させることを言います。ですから、プレス金型にも先ほどの金型の種類の話と同様に種類があります。


 ■ 抜き型:材料から製品となる形に打ち抜く加工
 ■ 曲げ型:材料を製品となる形に曲げる加工、曲げの角度は様々
 ■ 絞り型:材料に圧力をかけて絞り込み(圧縮し)凹状にする加工


このように加工方法による分類に加え、連続的に加工できる順送型と1つ1つ加工する単発型というような分類もあります。

金型と一言で言っても種類が様々であり、混乱しますよね。私も父が金型屋だったにも関わらず、お恥かしい話しですが、現在の仕事をするようになるまでは、金型だからどれも一緒と思っておりました。そして、当社で得意としている金型は先ほどお話したとおり、プレス金型で抜き型、曲げ型、絞り型ともに対応できます。また順送型には対応しておらず、基本的には単発型となります。つまり、

単発プレス金型

が、当社が製作を得意とする金型の種類ということになります。

いかがだったでしょうか?
金型と言いましても対象の材料や加工方法によって種類は様々であります。また、金型屋はすべての金型を製作できる訳ではなく、得意な分野に分かれていることもご理解いただけたでしょうか?
次回は、当社が得意としている単発プレス金型を用いたプレス加工と医療機器の製造との結び付きを「加工編」としてご紹介します。ぜひ、次回もお楽しみにしてください。