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前回のメディコラムでは、医療機器と美容機器のお話をしました。非常に似ている存在ではありますが、注意も必要ですねということを紹介しました。今回のメディコラムでも身近の医療機器ということで、コンタクトレンズのお話をしたいと思います。私自身も15歳ぐらいから目が悪くなり当初は眼鏡を使用していました。しかしながら、今でこそ「メガネ男子」という言葉で形容されておりますが、私の学生時代、あまりメガネはカッコイイものではありませんでした。どちらかというと真面目で暗いというようなネガティブな印象を持たれる傾向があったように記憶しております。(間違った印象でしたら申し訳ありません…。)
そんなこんなもあり、私もコンタクトレンズを使い出し、現在も使用している状況です。

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このコンタクトレンズですが、日ごろ使用している人でも自覚している人は少ないと思いますが、コンタクトレンズも医療機器の一種です。装着することで視力を矯正し、生活環境を改善してくれる非常に身近でありがたい機器でもあります。しかしこのコンタクトレンズを巡るトラブルも増えています。

まず自分に合わないコンタクトを使用するケースが増えたこと。これはインターネットでの通販が普及したのが大きな理由です。あらかじめ実際に試してみない状態で購入し、そのまま使用し続けることでドライアイや角膜の異常といった問題を起こしてしまっています。面倒でも必ず眼科医のもとで適性検査などを受けた上で決めるようにしましょう。

もうひとつ大きな問題となっているのがカラーコンタクトです。瞳の色を変えることができるコンタクトが、ファッションアイテムとして普及しています。それこそもともと視力が悪くない人も、オシャレ目的で着用するケースが増えているのです。それに合わせて表層角膜症や角膜びらんといったトラブルが増加するようになっています。
この問題に合わせて2009年からカラーコンタクトレンズが薬事法の対象となり、厚生労働大臣の承認や都道府県知事の許可、さらには販売管理者の設置などが必要になりました。そのため安全性が上昇したのは事実ですが、本人が不適切な使用をすれば、やはりトラブルの原因となります。医療機器が美容・ファッションに使用される例が増えていますが、コンタクトは身近なだけに特に注意が必要でしょう。眼科医の適切なアドバイスも重要になってくることから、定期的な診察も必要ですね。

そして最後にメンテナンスの問題があります。24時間連続装用タイプでなければ、使用後はレンズを洗浄し保存液に浸し保存するという工程が必要です。洗浄前の手洗いの実施、定期的なタンパク除去洗浄、適切な保存液の選定など、しっかりと定められた手順でメンテナンスを行わないとレンズが汚れ、目へのダメージが発生する恐れがあります。更に使い捨てコンタクトレンズにありがちですが、使用期限を超えた使用も問題になります。私が使用しているコンタクトレンズも2週間タイプのため、いつ交換したか分からず、2週間を超えて使用してしまう時もあります。そうしますと、コンタクトレンズが損傷したり、水分量が設計通りでないなどのトラブルが発生することも考えられます。例えば、使用期限を超えたら真っ黒になって装着しても何も見えない…ぐらいの強制的な仕掛けがあれば否応なしに交換するのですが、現状ではある程度使えてしまうので、これは使用者が気を付けないといけない課題かと思います。

以上、今回のメディコラムはコンタクトレンズに関するお話でした。私も使用者ですので、コンタクトレンズの便利さに気を取られ、ツイツイ医療機器としての適切な使用方法や選定方法を疎かにしてしまう気持ちは良く分かります。しかしながら、何と言っても対象は「目」ですので、どうぞ皆さまも注意しながらご使用いただければと思います。

では、また次回もよろしくお願いいたします。